ねこさん。
(この写真は、5/18 00:49に撮影したものです)

 5/17のこと。朝からねこさんの様子がなんかおかしい。水も飲まないし、ごはんも食べない。食欲は確かに少なくなっていたのですが、全く食べもせず、おねだりもないなんて初めてでした。前足も悪くなったのか、支えてやっても立ち上がった姿勢が苦しいらしく、鳴いて嫌がります。

 現在、ねこさんを一番かわいがっている弟は社用で出張中で、帰宅は金曜の夕方。ねこさんが一番なついていた母も同じく出張中で、帰りは金曜の夜。ねこさんを最初は嫌ってたけど、今では「ドラちゃん」と呼んで許容してくれるようになった父も、今日から日曜まで東京へ旅行です。私は用事のために一日お休みをもらっていましたが、キャンセルさせてもらいました。今日は一日付き添ってあげられます。

 昼過ぎに買い物のために外出し、14:00ごろ帰宅。ねこさんの様子がさらにおかしくなっていました。呼吸が浅く速くなり、いかにも苦しそうな感じです。いつも診てもらっている獣医さんは木曜の午後は休診なのですが、留守電入れると診てもらえるそう。先生は現在外出中で、戻りは17:30〜18:00ごろになるとのこと。戻ってきたら電話をくださるそうで、とりあえず電話を切りました。苦しそうなねこさんをなでなでしながら、うとうとしてたら17:30。電話がかかってきました。

 ねこさんを連れて動物病院へ。苦しそうなので、運転も一層緊張しました。血液検査の結果、患っていた慢性腎不全のため、尿毒症といって、窒素化合物が体内に溜まっている状態の相当酷い奴だそうです。BUNという数値が100以上になると尿毒症と診断されるそうですが、ねこさんのBUN値は140オーバー。末期です。先生の話では、治療には入院させるのが良いが、もしかすると今夜にも死んでしまうかもしれないとのことでした。悩んだのですが、もし死んでしまうなら最後は一緒にいてやりたいと思って、今日は点滴治療を受けて帰りました。

 18:00過ぎに帰宅。相変わらずねこさんの呼吸は速いままです。自分の夕食の間以外は、頭や顎をなでてやったり、手を握ってやったり、ずっと声をかけてやってました。でも、こんなの人間側の気休めでしかありません。ねこさんは口を半開きにして舌を出し、ぐったりしたまま息を切らしています。家族みんなにねこさんの状況を説明するメールを送りました。当然ですが、みんな心配してメールや電話を返してくれました。今夜は寝ないでねこさんを見ててあげなければ。

 そう覚悟したものの、少しうとうとしてしまって23:00前。ねこさんの呼吸が途切れがちになってきました。もうだめなのかなと諦めが私の心の中に入ってきます。今夜を乗り切れば、明日また先生に診てもらえます。ねこさん、がんばって!

 01:30。目が覚めました。やっぱり眠ってしまったようです。あわててねこさんの様子を確認すると、あの苦しそうな息遣いは落ち着いたようです。目は薄く空いてて起きてるみたいですけど、とにかくよかった。・・・と思ったのは間違いでした。呼吸は落ち着いたのではなく、止まっていたのでした。苦しそうに開けた口もそのまま、ねこさんはあちらの世界に旅立っていったのです。

 駄目だ。落ち着いて状況整理しようとして文章書いてたけど、もうこれ以上は無理。涙が止まらない。この写真のねこさん、もう死んでるんです。

 夜中だったけど関係ありません。家族全員にメールしました。みんなすぐに返事をくれました。悲しんでます。でも、みんなは今すぐにねこさんに会うことはできません。死後硬直も始まってるし、どうしようと思ってたら、弟が結構冷静に返事をくれたので助かりました。まず、ねこさんの体がいたまないようにしてあげないといけません。こういう時にはネットは便利ですが、弟の指示が的確で、検索して出てきたことはあまり役に立ちませんでした。

 まず、まぶたをおろして口を閉じてやりました。目が開いたままだと、今にもニャーニャー鳴いておねだりしてきそうな感じがします。それがなおさら悲しいです。顔の筋肉も硬直が始まっているのか、いつもの眠そうな薄開きのような表情にしかなりませんでした。でも、さっきよりはマシです。

 次に、ねこさんの体を拭いてやりました。何ヶ月かの間ずっと寝たきりだったから、下側になってた右の太ももの毛がいつもおしっこで湿ってたんです。そこを念入りにキッチンペーパーで拭いて、ドライヤーで乾かして、ティッシュでまた水分を取り除いて、乾かしてあげました。グルーミングも最近できてなかったようなので、全身きれいに拭いてあげました。頭を拭いてやったときにまぶたが開いて、ねこさんが生きてたのかと思って喜びました。でも、現実は残酷です。まぶたが開いたのは頭皮にひっぱられただけでした。ここでやっと、ねこさんが死んでしまったことを、現実として受け止めることが出来ました。

 次に、体を冷やしてやることです。ねこさんの体は、病院に連れて行く時の箱の中に寝かせてやることにしました。冷凍庫からありったけの保冷剤を出し、ビニールで包んでねこさんの体の下に敷いたり上に乗せてやりました。保存状態のことを考えると、冷蔵庫や冷凍庫に入れるのが最善かと思われますが、食べ物の入ってる所に一緒に入れるのはできません。食べ物にとっても、ねこさんにとっても、そんな仕打ちをするのは私にはできませんでした。代わりに部屋のクーラーをガンガンにかけて、ねこさんの体にはタオルをかけてあげました。ねこさんは布団に包まって眠っているだけのように見えます。でも、もう二度とその眠りから目覚めることはないのです。

 遺体の保存という点において、一般の家庭でできることはこのくらいのことでしょうか。保冷剤が溶けたら氷に取り替えなきゃ。製氷機に水を入れておこう。あとは何がしてあげられるでしょうか。わからなくて、現状を整理しようとして日記を書いています。

 メールの着メロが、Tommy heavenly6のLucky meになっていました。2月リリースのアルバム「Heavy Starry Heavenly」のラストを飾る曲で、春に訪れる別れを歌っています。

 寂しくなるけれど
 たぶん平気
 いつかまた一緒に
 お茶でも飲もうね
 何もかもが楽しすぎた思い出
 また会えるその日まで
 Bye Bye

 ただ別れるだけのシチュエーションなら元気が出る歌詞とメロディのロックナンバーですが、ねこさんの死んでしまった今、この歌をポジティブに受け止めることができません。平気じゃないです。涙が止まりません。

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